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お互いを確認し終えたことで、ようやく脳みそが正常に働き出したみたいだ。
ちよちゃんはそのまま俺に飛びついて来た。
「きゃー!ちーちゃんだぁ!やっぱりちーちゃんだぁ!」
「えっ……ちょ、おい…!やめっ…」
「この前助けてくれたのもちーちゃんだよね!そうじゃないかなって思ってたのー!」
「なぁ…!わかったから……ちょ、離れろッ…」
俺の首に飛びついて、ジタバタとぶら下がる。
さすが女の子。軽い。
軽いが、首はだるい。
俺がちよちゃんを引き剥がそうとして奮闘しているところに、曲がり角から政宗さんが戻って来た。
そして、その後ろには着物姿の女を連れていて。
「てめぇに会いたかったみてぇでな、それぐらいしてやれや」
「まぁ、千明さん。お久しぶりにございます」
「え?あ、まさか、蝶子さん?ああ、お久し、ぶりです…」
俺が思うに、この家で1番と言っていい程、美しくなっていたその女は宮野蝶子(みやのちょうこ)。
ちよちゃんの世話係を担当し、噂によれば腹違いの姉だとか……。
そんな、謎に包まれた蝶子さんは、俺とちよちゃんを優しい眼差しで見つめ、クスクスと笑っている。
いや、笑ってる場合じゃないよ。俺、首もげる。
「あーいーたーかったー!」
「あ゙ぁぁぁぁあ……首がぁ……」
一応、ちよちゃんの体を支えてはいるけどそんなに密着はできない。
おっぱい当たったら、いくら俺でも気まずいし、恥ずかしいわ。
…………ので、首が犠牲となりつつある。
政宗さんも、見てないで助けろよ!
「―――ちょっと触るよ。ごめんね」
すると、ナイスなタイミングで、その声と共に首の重m……首からちよちゃんが離された。
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