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スッと軽いものを運ぶかのように、ちよちゃんの脇を抱えて持ち上げた大雅。
うるせー、どうせ俺にはそんな力ねぇやい。
廊下に足をついたちよちゃんは、自分を持ち上げた相手に初めて気づき、顔を見上げた。
……白羽一族ってスルースキルハンパないのかな?
「貴方、誰?」
首を傾げて、困惑した表情を浮かべている。
この顔、できれば白羽さんもして欲しかったよ…………まぁ、しないだろうけどね。
「俺は千明の友達。今日は千明について来ただけ」
「ふーん。なんだか裏表ありそうな人ね」
「はは。そうだね……君と一緒」
大雅のせいで、再びあの緊張が走る。
ああああああああ!何言ってんだよぉおおお!
白羽さんは心が広かったから良かったのに、なんでちよちゃんに言っちゃうかなぁぁあ!?
ゴクリと唾を飲んだ。
「――あら。言うじゃない」
しかし、意外にもそれへの反応はなく、何事もないかのようにスルーされた。
…………ほんとにスルースキル、ハンパないな。
それとも大雅だから?
白羽家の謎のスルースキルについて頭をひねらせていると、いきなり腕に柔らかい感触が。
「でも、ちーちゃんは私のだから」
ベーッと赤い舌を出すちよちゃん。
ごめん、あっかんべーはいいから離れて欲しい。
君のふくよかなお胸の方が腕に当たって……ア゙ア゙ア゙ア゙!挟み込むなぁ゙あ!
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