1:目と目とが合う瞬間に

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ガァンッ!!!!! 「みーっけ♪」 あぁ、見つかってしまった……。 便座に座る俺。扉を蹴破ったアイツ。 扉蹴るの強すぎて風きたわ。 もうこれ、蛇に睨まれたカエル。 「……………」 「なーに、口結んでんの?」 カツカツと、中へ入ってくる。 そして、俺の目の前に立つ。 あ、やっぱり背ぇ高いな………。 足長すぎ、腰高すぎだろ。 「あー。緊張してる?だよねー」 「……」 「じゃ、自己紹介からはじめよっか」 カチャっと、扉のカギを閉める音が聞こえた。 いや、もう、ほんと……自己紹介じゃないですよね………?? 「よいしょ」なんてオヤジみたいに言って、その場に屈んだ。 う○こ座りのガラ悪いバージョン、ヤンキー座りだ。 うわ、超怖いんですけど……。 目だけは合さないようにしなきゃ…。 「俺、昨日転校してきた志野大雅(しのたいが)。よろしくね? 」 にっこり笑みを向けられる。 絶対女が好きそうな顔。 「……え、えりはら……ちあ、き…です」 「へぇー。千明って言うんだぁ」 おい、志野とやら。 お主、笑っているつもりだろうが目が笑っていないぞ……。 念のため、少しだけ後ろに身を引いた。
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