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『超常だね』
非現実なんてのは、あまりに普遍的だ。
普遍的で不変的で、何処にでもありふれていて、見方1つで姿を変えてしまう。
非現実から現実へ。
超常から通常へ。
だからこそ、僕は、遅めの夕食の席で、色を持たない同居人がそう呟くまでは、そもそも自分がそういった事象に巻き込まれているのだと、気づくことすら出来なかった。
知覚することも、
自覚することも、ままならなかった。
自分の足首までが泥濘(でいねい)に呑まれていることを、認識していなかった。
それはある意味で、肉に覆われて見えない部分で進行する病巣のように恐ろしいものであるのだけれど。
まあ、だから、つまり。
僕はもう既に退っ引きならない状況で、この頃から追い詰められていたのだ。
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