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「で――何だよ、赤ナイフって。昭和の都市伝説じゃあないんだから、もうちょいマシな名前はなかったのか?」
僕の通うこの私立高校は、昇降口から校門までが非常に遠い。
グラウンドを半周近くもしなければならないそれに半ば辟易(へきえき)しながら、僕はそう、斜に構えるように言った。
と、いっても、それは僕の基本スタンスであり、意識したものではないのだけれど。
「いや、名前って言ったって、俺が付けた訳じゃないんだがな」
彼は頭を掻きながら、
「でも、遠からずだ。都市伝説――つーか、噂話の類いなんだがな」
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