scene0 「否定屋の彼と。」

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「いやいや、あんたはそんなこと、たったの一度だってしたことがないじゃないか」 向かい合った彼は笑う。 彼からすれば些事(さじ)に過ぎず、悩むこと自体が惨事なのだろう。 そのくらい当然に、彼は生きていた。 生きていた。 はっきりとしない何かを、行っていた。 しかし、彼は続ける。
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