scene0 「否定屋の彼と。」

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そうでなくても、相似なものに違いない。 違いが無い。 生きていれば必ず死ぬ。 言い換えて、死ぬために生きている。 敢えて分けるとするのなら、それは過程と結果ということになるが、 そんな分類は無意味で、無味で、無為で、無粋だ。 つまりはいずれ、全員死ぬのだ。 生きることは、死ぬことだということだ。 と、するのであれば。 死ぬこともなく、ただこの世からその存在が消えてしまう――なんて奇々怪々なことが起こってしまったら。 その当事者は生きていなかったことに、なるのだろうか?
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