scene0 「否定屋の彼と。」

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「いや、そんなことはない」 彼は否定する。いつも通りに否定する。 否定ばかりの返答。しかし、それが彼なのだ。 「そもそも、基準が違う。秤(はかり)で長さを測るようなものだ。尺度が、単位が、前提が違う」 全てをばっさりと、否定の一刀で切り捨てて、 それでも尚、残るは興味。 奇を好む心が、アナグラム。当てはまる。
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