scene1「半身の世界」

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「都市伝説だの何だのと、ね――――」 それを彼女は、まるで何も無かったかのように侵す。 一歩。自然な動作で踏み込んで。 越える。 一線を越える。 越境。 そして、詰まる間合い。言葉は元より、腕さえも伸ばせば届く距離。 射程圏内。 それは僕にとって致命的な事実だった。 加えて彼女の立つ位置が丁度、僕の右側であることが、それに拍車をかける。 だから、僕は、 「君はもう、巻き込まれているのに」 その宣告を呆然のうちに、聞いた。
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