39人が本棚に入れています
本棚に追加
「都市伝説だの何だのと、ね――――」
それを彼女は、まるで何も無かったかのように侵す。
一歩。自然な動作で踏み込んで。
越える。
一線を越える。
越境。
そして、詰まる間合い。言葉は元より、腕さえも伸ばせば届く距離。
射程圏内。
それは僕にとって致命的な事実だった。
加えて彼女の立つ位置が丁度、僕の右側であることが、それに拍車をかける。
だから、僕は、
「君はもう、巻き込まれているのに」
その宣告を呆然のうちに、聞いた。
最初のコメントを投稿しよう!