scene1「半身の世界」

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車がひとつ、真横を過ぎた。 白い軽自動車だった。 ふわり、と、微々たる風圧。 「…理由が、いるのなら」 彼女の長い髪が、舞う。 帳のように。 翼のように。 「いくらでもでっち上げてあげる。だって、仲間が欲しいって気持ちに理由なんて、いらないでしょ?」 要らないものを必要とするのなら。 そんな蛇足は切って捨て、出鱈目をついでしまえばいいと、 彼女は、言うのだ。 「…わかった、じゃあ、質問を変えるよ」
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