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車がひとつ、真横を過ぎた。
白い軽自動車だった。
ふわり、と、微々たる風圧。
「…理由が、いるのなら」
彼女の長い髪が、舞う。
帳のように。
翼のように。
「いくらでもでっち上げてあげる。だって、仲間が欲しいって気持ちに理由なんて、いらないでしょ?」
要らないものを必要とするのなら。
そんな蛇足は切って捨て、出鱈目をついでしまえばいいと、
彼女は、言うのだ。
「…わかった、じゃあ、質問を変えるよ」
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