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忽然と、
平然と、
茫然と、
いや、最後のは僕だ。
ともかく、彼女は幽霊のように姿を消した。
音もなく、失踪した。
声もなく、消失した。
蝉が鳴く、太陽の下。
取り残された僕は、がらりと空いた左脇を、見つめるばかりだった。
その理由を、この頃の僕は知らなかったし、この先の未来、知れるとも限らなかった。
だから、この時は、
この再会は、僕が締めることになった。
そのための、台詞は、
「…こんな、これじゃあ、正しく、超常じゃないか――――」
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