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朝御飯を食べ、6人は写真を撮った。
真ん中に主役といえる紗穂と四詩を並べ、他の4人は囲うように並んだ。
「紗穂の隣は僕だからね!」
「はいはい。」
「いいよ。一緒に撮ろ!」
【俺も紗穂の隣がいいな……】
兄たちはみんなそう思ったが、五樹は年も離れているし末っ子で甘やかされたせいか怒らせると面倒なので黙っていた。
結局、前列に右から五樹、紗穂、三弦で座り、後列に右から壱哉、四詩、史斗で落ち着いた。
「じゃあ撮るよ。」
千紗がカメラを覗きながら言う。
「はい、チーズ」
パシャ
「写真も撮ったし早く学校行きなさい。初日から遅刻したら大変!」
みんなが時計を見ると、走っていかなければいけないほどの時間ではないが、のんびり余裕を持って行くにはもうでないといけなかった。
「「「「いってきます!」」」」
「「いってらっしゃい。」」
「バイバイ紗穂。」
「五樹、兄ちゃん達には?」
「兄ちゃん達はいいの。」
「あっそ。じゃあな。」
史くん、三っちゃん、四詩と家を飛び出す。
五樹に悲しげに見られて少し後ろ髪引かれた。
「千紗さん、俺も五樹を保育園に送ってきます。」
「わかったわ。入学式には一緒に行きましょう。」
「はい。じゃあ行ってきます。」
「千紗ママ!行ってきまぁす。」
「いってらっしゃい、五樹くん。」
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