24 訪問-2

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「ええっと、ペーパーフィルターと、コーヒーの粉は……」 豪華だけど、イマイチ生活感がないキッチンスペースで、唯一使用感を漂わせているコーヒーメーカーをセットするべく、 必要な材料を物色しながらも、応接セットで交わされている課長と探偵さんの会話が気になって、仕方がない。 私にコーヒーを頼んだ探偵さんの意図は、わかっている。 5分間ですむという、私に聞かせたくない話をするためだ。 でも、広い部屋の端っこにあるとはいえ、このキッチンスペースは、壁に隔たれているわけじゃない。 だから、会話の内容はどうしても耳に届いてしまう。 聞いちゃだめだとは思うけど、気になるものだから、私の耳は、象さん状態になっている。 『耳ダンボ』ってやつだ。 「この写真の出どころは? まさか、お前が趣味で撮ったわけじゃないだろうな」 ――写真? 写真って、どんな写真? 未だ不機嫌モード持続中らしい課長の低い声音に、ダンボの耳は、さらに拡大する。
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