24 訪問-2

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うずうずと、 見たい衝動に突き動かされた私は、応接セットに座る二人にチラリと目を向けた。 でも、残念なことに、見えるのは課長の後ろ姿と、探偵さんの愉快そうな笑顔。 たぶん、視線を向けていたのは、ほんの数秒のこと。 音を立てたわけでもないのに、 さすがと言うか、敏いと言うか、探偵さんは私の視線に気付いてしまった。 動作には出さずに、丸メガネの奥のつぶらな瞳が、柔和そうに細められる。 ぎょっとして顔を伏せる間際、視界の端をかすめたのは、探偵さんが投げてよこした、きれいなウインク。 あの、のほほんとした見てくれに、騙されてはいけない。 あれは、相手を油断させるための擬態だ。 いざというときは、きっと、テレビドラマや小説の中の探偵みたいに、情け容赦なく、犯人をあぶり出すに違いない。 ――というのは、さすがに考えすぎだろうけど、 あなどれない人なのには、変わりがない。 麒麟探偵、恐るべし。
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