24 訪問-2

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「はいはい。それでは、へっぽこ探偵の依頼主に、もう一つ重要な報告があります」 重要というわりに、探偵さんの声音は、のんびりとしたもので、終始一貫、緊張感のかけらもない。 「なんだ?」 「ヤッコさん本人に、動きがありました」 息を飲むような、課長の気配。 一瞬にしてその場に、緊張が走る。 「――それで?」 「長期滞在予定で、ここに、来てますよ、あの御仁」 「ここって、このホテルにか?」 驚いたように、質問する課長の声のトーンが、少しだけ上がる。 「ええ。昨夜遅く、向かいの部屋に入りました。それも、とても美しい随員付きで。彼女は、最近入った秘書課の新人の子ですね」 「社長に、あれだけ釘を刺されておいて、まだ懲りないのか?」 「それで懲りるような人間なら、周りも君も、苦労はしないでしょう?」
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