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「お母さんが戦ってる!? お父さんが守ってるってどういうこと!?」
『お父さんもお母さんも魔法使いだからね。お父さんはここから離れたところにいるけど、お母さんはすぐ側にいるはずだ』
身体が震えて、心臓はおとなしくなる気配はおろか、どんどん鼓動は激しくなっていく。
六分が経って、今までとは比べものにならない音がした。家の中で何かが大きな音を立てながら上ってくる。
黒く大型犬よりも一回りもふた周りも大きい怪物は、竜也の姿を目にとらえると、吠えて体勢を低くした。
怪物が飛びかかってきて、思わず目を閉じてしまった。しかし、体の中に流れていた魔力というらしいものが出て行き、怪物は跳ね返され、大きな音を立てて壁に衝突した。一旦倒れたものの、すぐに起き上がってしまう。
窓を開けていないのに風が吹いて、体が浮く。
「えっ、えっ!?」
『怪物から目をそらさないで!さっきもギリギリだったんだから!』
そう言われた時にはもう側にいて、身動きが取れない事に慌ててしまう。
足で床に叩きつけられて、叫び声をあげる。魔力がすごい速さで体の中を流れて、勝手に体を動かした。
視界がかすみ、次の瞬間には怪物の背後にいて、思わず放心してしまい、慌てて魔力を怪物に向けた。
雷撃が、怪物を襲う。しかし、怪物は首をぶんぶん振っただけでまた飛びかかってきた。
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