§14 ウェディングドレスと4月の雨

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「赤ちゃん?」 「幹太と結婚して幹太を幸せにしてあげて。幹太のことよろしくお願いします」 「ホント、この人イライラする。それに」 「それに?」 「つまんない、そういうの」  吸いかけの煙草をもみ消すと優子は立ち上がった。そして伝票を手にした。私はすかさずそれを優子の手から引き抜いた。 「今日は私が呼び出したんだから」  優子は鼻でフンと息を吐くと伝票を手放してカフェを出て行った。優子と正反対の性格の私は何か気に障ることをしたのかもしれない。でも優子にちゃんとお願いしておきたかった、幹太のこと。気持ちは伝わったかは微妙だけど、形はついたと思った。
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