§14 ウェディングドレスと4月の雨

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 trinityに着いて窓側の席に着く。もう外は暗い。夜景は薄ぼんやりとしていた。春の霞んだ空気のせい。 「乾杯」 「乾杯」  穂積くんは生ビールで、私はオリジナルカクテルでグラスを合わせた。 「旦那、どう?」 「まあ、そうね」 「すんなり離婚出来るのか?」 「多分」  穂積くんのプロポーズに返事をした訳ではない。でも穂積くんは私が受けると思っているんだろう。 「式、挙げるか? ドレス、着たいんだろ?」 「うん……。ドレスは着たいな」 「親戚とか友人とか呼ぶか? 嫌なら2人で挙式でもいいし」 「うん……」  穂積くんは本当に私と結婚したいと思ってるんだろうか。 「式、挙げるならどこがいい?」 「海の見えるところがいいな。それか高原のチャペルとか」  ちゃんと断らないといけない。
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