§14 ウェディングドレスと4月の雨

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 しばらく穂積くんは動かなかった。私を離してくれなかった。雨は次第に強くなって、私も穂積くんもだいぶ濡れてしまった。 「帰ろう」 「うん」  車に戻り、着替えのあった私は後部座席で着替えて助手席に乗った。穂積くんは羽織っていたパーカーを脱ぎ、運転する。そしてウィークリーマンションに越したことを知らなかった穂積くんは、私を幹太のマンションまで送り届けて、レンタカーを返しに行った。
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