第1章

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 バトルフィールドの両端、決勝マッチの舞台袖では、時期女王の名を賭けた二人の女性がそれぞれ最後の仕上げに取りかかっていた。 「オーッホッホッホッ、信じられませんわ、あのような下賤者がまさか決勝までのし上がってこられるなんて。  負けた方々は貴族としてのプライドがおありなのかしらね」  銀孔雀の扇を宛て、キツめの眼光を飛ばす金髪ツインテールの美女がいた。  黒革張りのスツールに座る彼女は、ピンヒールを履きこなしたすらりとした脚を組み替える。  女学院伝統の正装とされる『マンキニ(man+bikini)』は本来男性の局部を包み込むだけの極めて薄手の水着である。  女性の武器を遺憾なく発揮するコスチュームとして採用されたのは、そう遠い日のことではない。
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