第1章

4/7
12人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
 彼女――ハネージュが身を包む戦闘服は、芳しい薔薇のパフュームがただようバラ繊維とナイロン、ポリウレタンを編み込んだ深紅の生地で作られた女性用マンキニ。  おっぱいのキーポイント二つと最後の砦のみを見事に隠しきった最小限の表現が、学院の理事長らの不能対策に一役買っているというのが専らの噂だ。  ハネージュのツンと突き出たけしからんダイナマイトおっぱいを圧迫する生地は限界に伸ばされ、股にぐいぐいと食い込んでくる。 「んもう、いやですわ……競技の前に使い物にならなくなってしまいますの」  恥じらいながらビキニラインに細い指先を絡ませた現女王ハネージュは、花弁に深く食い込んだ生地をそっと引っ張った。 「決勝まで勝ち上がってきたあの貧相なステイタス女の鼻っ柱を折って差し上げましてよ……オーッホッホッホッ!」  ハネージュの銀孔雀の扇を仰ぐ手に力が入る。  ステージ反対側の裾では、前年度の優勝者である女王ハネージュの対抗馬として、幾多もの熱いマンキニバトルを勝ち上がった挑戦者の姿があった。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!