【青の残照】

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 アリシアさんに礼を言い、ギルドをあとにする。 「一週間、か」  切り落とされた腕が完全に治るまでにかかった時間とすれば、破格の早さと見るべきか。  それとも、魔法に魔法具、心器まで活用してたのに、それだけかかったと見るべきか。 「ま、どっちでもいいか」  吐き捨て、どこへともなく歩を進める。  出てきたはいいけど、行き先はない。  見慣れてる街。いつもと変わらない街。  そのはずなのに、進むべき道が分からない。  どこへ行けばいいのかなんて分からないし、どこへ行きたいとも思わない。  それでも足は止まらなかった。  賑やかな大通りから外れ、小道を進み、横道に逸れ、ただフラフラと歩き続ける。  気づけば、見覚えのある門の前に立っていた。  ボロボロの門構えに、なんだかわからない植物の蔓に被われた外観。 「これじゃあ、お化け屋敷なんて言われても文句は言えないな……」  来るつもりなんてなかったのに。  それでも、気づけば銀嶺館の前に立っていた。
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