【青の残照】

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 別の一振りを掴み取る。  横薙ぎの一撃。力任せの稚拙な斬撃は、決して相手を捉えない。分かってる。分かってるけど! 「目を逸らして悪いってんですかッ!!」  舞い散る火花。手にかかる衝撃。  打ち合う剣が鍔迫り合う。捉えたんじゃなく受け止められた。押し合う力は拮抗し、寸分たりとも動かない。  踏み込む足も歩みを止めた。 「悪いなんて思ってないさ。受け止めるには時間がかかる。それは当然のことだ」 「へ? え、じゃあ、何で……」 「悪いと思っているのは、君だろう」 「──ッ!?」  息を呑む。鋭い視線に、身じろぎひとつ許されない。 「多くの人が見舞いに来てくれていたな。友人たちや、商店街の人たち。それから、シエナとノエルの両親もいらしていたそうだな」 「…………ええ。色々話してくれました。色々聞いていってくれました」  リゼも、カインも、双真も、商店街の人たちも、それから2人の両親でさえ。 「みんな最後には決まって、こう言うんです。お前はよくやった。精一杯頑張った、って」  そんなワケない。そんなワケあるはずないのに。
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