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一歩。
爆音と共に地面をえぐり、景色をすべて置き去って──
「あんたがッ!!!!!!」
迷いなく振り下ろす全力の拳。けど、届かない。青の盾は見た目以上に堅く、強く、叩きつける衝撃も通らない。
「おいおい、いきなりだな」
「ぐッ!!!!」
「だったら、これでもくらいなさい! 赤の書3章2節! 【不滅の炎(インフィニット・レッド)】!!」
「……マスターに手出しはさせない。白の偽典3章2節【あまねく光(インフィニット・ホワイト)】」
ぶつかり合う魔弾の嵐。炸裂音が連続し、四方八方を埋め尽くす。
振り返りはしなかった。振り返る必要はなかった。
拳を叩きつけたまま、残った左手を後ろに伸ばす。
図ったように、魔弾の嵐を切り抜けて、赤の魔弾がその手に届いた。
「いって、シロウ!!」
「呑み込め! 『裸の王様(リトルクラウン)』!!」
熱が渦巻き、炎が揺れる。
赤の光を拳に灯し、腰を落として狙い定める。
「おいおい、やるだけ無駄だ。やめとけって」
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