2923人が本棚に入れています
本棚に追加
構えられる青の盾。
気軽に持ってるだけに見えて、隙らしい隙が見当たらない。
気負いも、緊張もなく、自然体で佇む姿にはどんな攻撃も受けきる自信が見てとれる。
けれど、だけど、だからこそ!!
「赤の書4章4節!」
打ち出す拳。大振りすぎる一撃は、簡単に盾を合わされる。
狙いはそいつだ!!
「【真炎の爆発(カーディナル・エクスプロージョン)】!!!!」
ゼロ距離からの上級魔法。本人まで攻撃が通らなくたって、心器を砕いちまえば問題な──
「だから、無駄だって言っただろ」
ガラスを打ち合わせたような、高く澄んだ音が鳴り響く。
それだけだった。
集った魔力は霧散して、現象の発現は起こらない。
何が──!?
「爆熱系の魔法は、発動直前に魔力が一点に収束される。そこを狙ってやれば、砕くのは簡単だ」
水を束ねた青の剣を振り抜いて、オッチャンは何でもないことのように笑ってやがる。
最初のコメントを投稿しよう!