【青の残照】

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 構えられる青の盾。  気軽に持ってるだけに見えて、隙らしい隙が見当たらない。  気負いも、緊張もなく、自然体で佇む姿にはどんな攻撃も受けきる自信が見てとれる。  けれど、だけど、だからこそ!! 「赤の書4章4節!」  打ち出す拳。大振りすぎる一撃は、簡単に盾を合わされる。  狙いはそいつだ!! 「【真炎の爆発(カーディナル・エクスプロージョン)】!!!!」  ゼロ距離からの上級魔法。本人まで攻撃が通らなくたって、心器を砕いちまえば問題な── 「だから、無駄だって言っただろ」  ガラスを打ち合わせたような、高く澄んだ音が鳴り響く。  それだけだった。  集った魔力は霧散して、現象の発現は起こらない。  何が──!? 「爆熱系の魔法は、発動直前に魔力が一点に収束される。そこを狙ってやれば、砕くのは簡単だ」  水を束ねた青の剣を振り抜いて、オッチャンは何でもないことのように笑ってやがる。
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