【足りない日々】

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『それで、状況はどうなってるんや?』 「発見なし手がかりなし進展なし、だな」 『そうか。悪いけど、こっちもめぼしい情報はないわ』 「そうか……忙しいのに探してくれて、ありがとな」 『気にせんでも、これくらい問題ないで』  いや、これくらいってレベルじゃないだろ。  炎が揺れる。閃光が弾ける。  画面の向こうで様々な色が乱れ飛ぶ。  撃ち出されるのは小さな札。それが火炎を生み出し稲妻を呼び、水が渦巻き敵を飲み込む。  刹那。そのすべてが切り裂かれた。現れたのは巨大なイタチ。両手と尾に伸びた鎌で、飛び交う攻撃を叩き斬る。  取り囲む少年少女が慌てて札を投げつけるけど、今度は術が成る前にそのすべてが細切れになる。  どう見てもバケモノ相手に押され気味なんですが。 『ちょっと双真くん! 話し込んでないで貴方も応戦してくださいまし!』 『えぇ。自分らだけで十分やから、通信に応じてええ言うたんはそっちやろ』 『そうですけれども! この妖怪、怪しげな術で強化されてる様ですの!』
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