【青の残照】

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「シロウが管理人さんの──!?」  驚くシエナ。当然だ。オレだってまだ何がなんだか飲み込めてない。母さんが? 何で? 時々ふらっとしばらくいなくなってたのは、そういうことなのか?  思考がまとまらない。  なのに、オッチャンは平然と母さんに笑いかけ続ける。 「やっぱりか。初めて見たときから、覚えのある魔力波長にそっくりだと思ってたぞ。それにしても、何の事情も教えずに放り込むってのは、酷えんじゃねえか?」 「最初くらいは余計な知識を持たずに、こっちの世界を見させてやろうと思っただけだっての。それを、てめえがここまでバカなことしでかして引っ掻き回すとはな。────やったことの落とし前は、キッチリつけさせてもらうぞ」 「おお、怖えなあ。さすがは黒の魔女。いや“元”黒の魔女、か?」 「えッ!? 管理人さん!?」 「アタシより相応しいヤツに継承させただけさ。ま、だからこそ史郎には何も教えてなかったところはあるな。あいつが厄介事に巻き込まれたら、こいつも迷わず首突っ込むのは分かりきってるし」 「何にしても、色の支配者はないんでしょう! シロウも人質に取られてるんですよ! 大丈夫なんですか!?」 「ははッ。心配ねーよ、シエナちゃん。──色の支配者がないくらいで、人質がいるくらいで、止められるほどアタシは甘くない」  獰猛な笑みと共に魔力が渦巻く。  量が違う。密度が違う。明らかに、オレたちとは格が違う。
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