【足りない日々】

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「それで、成果のほどはどうだった……というのは訊かない方が良さそうだな」  銀嶺館で待ち構えてたイロさんは、オレたちの顔で察してくれた。  オレもシエナも、そして今は銀嶺館に仮住まいしてるリゼとクリスも顔色は良くない。  疲労感。成果のない戦い詰めに、体が少しずつ重くなってきている。 「何度も言っているが、ギルドでも捜索は行っている。キミたちは見つかったときのために休んでいても──」 「ダメです!」  鋭い声が耳を打つ。 「あたしが──あたしたちがノエルを助けるんです」 「……そうだな。だが、何にせよ今は休みなさい。魔力が切れていては、見つけられるものも見つけられない」  さすがに魔力切れの自覚はあるんだろう。  悔しげにうつむいたシエナは小さく頷き、静かに階段を上っていく。  弱々しい背中。何か言うべき気がしたけど、ついぞ言葉になることはなかった。  階上を見上げたままのオレへも、イロさんは言葉を投げてくる。 「キミもだぞ、シロウ」
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