第2章

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盛り上がる会場。 今は彼女の同級生などが考えた宴を披露する場面の中一人の男が席を立ってその場を後にした。 「おいおい、もうすぐスピーチだぞ?」 「タバコだよ、すぐ戻るさ」 秋人に言うと俺は喫煙所へと向かう、場所は出入り口の近く、ソファーがあり、そこに座りタバコを口に咥えカプセルを潰して火をつけた。 「一本くれ~」 後にすぐ兄貴がやって来た。 「自分のは?」 「あっちに忘れちゃったんだよ。丁度いいところに来てくれた!」 「はぁ…。はい、吸いすぎちゃいけないよ」 「お前もなっ」 タバコを渡すと兄貴はポケットに手を入れてライターを取り出した。 ”ライターはあるのにタバコはわすれるのかよ。”と言うと兄貴はこう返して来た。 「いやーたまには違うタバコ吸うのもいいな。」 「あったんだね。野郎…」 タバコを左の人差し指中指の間に挟み吸えば灰皿に灰を落とす。 そういえば最後の宴の時に出たから、次は…。 「始まるか。」 最後の宴が終わったのか中の馬鹿騒ぎ声が静まり、さっきまで響かなかった兄貴の声が若干響く。 そして彼女の声も壁越して俺の耳に入った。 「そういえば兄貴が夏菜に住所教えたの?」 「ああそうだ。お前の名前を出したら豹変しやがって、ハルの場所言えって迫られてさー。でもいいじゃないか、だからお前はこーして晴れ舞台を見れていいじゃないか。」 「そのおかげで……な…。」 吸い終わった煙草を灰皿に落とすと胸ポケットから自分の煙草を取り出し口に加えた。 おかげじゃない。なんて言えばいい、口にできない。動かせない。 「頭そんなに掻くと俺みたいに毛がなくなるぞ。 後、そんなに見たかったら見に行けばいいじゃないか。」 「っ……いいよ。」 「顔がそう言ってないぞ、せっかくの夏菜が話してるんだ。 お前がいなくちゃ、聞かなくちゃダメだろ。」 「あー煩い煩い。こっちよりあっちねの方が静かだよ 俺戻るね」 兄貴の”はいはい”と言う台詞にイラつき、吸い始めてた煙草を取りだし歩き出し一服したら後ろに投げ捨てた。 俺は扉を開けて夏菜の姿を拝めよう。 「たっく。頭をいじってるんだからバレバレなんだよ。 にしても…よく後ろから入れたな、すげぇな。」
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