0人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
卒業して……。
それからハルは東京へ行ってしまってた。
急なことに周りはびっくりしてた。だって私も、ハルのお母さんも知らなかったらしい。
確かに様子がおかしかったし、連むのが悪くなって行った。
最後には喧嘩したままになってしまった…でもなんで黙って行ったの?
寂しさよりムカつくが先に来てしまいハルに電話したらまさかの機種変更…まではいい、なんで電話番号とアドレスまで変更してるのさ!?
学校デビューだから1からやり直しってこと?餓鬼じゃないんだからさ!
探して。探して探して探して………探す当てもないんじゃ探すのも出来ないよ….。
それでも私は彼の情報を手にしようと、あちこち探し回ったがなにも手に入れられないまま月日は流れ、時間と共に私の頭からハルは遠い記憶になってしまった。
私は夢を追いかけながら仕事をして幸せな日々を送っていた。
そんな時に私は彼からのプロポーズを受け私は結婚することになった。
そんなある夏の日にーーー私はハルのお兄さんに会った。
”綺麗になったね”と言われて嬉しかった、そこで私はお兄さんの住所を教えてもらった。
「お、まさか俺の家に押し入れるつもり?残念だなー俺もう彼女が…。」
「違います。」
あっさりと言いました。
お兄さんは”昔は~”とか”あの頃は~”など4つしか違わないのにもうおっさんの台詞を言っている。
「おっさん」
私は笑顔で言った。
「うっせいよ。夏菜よりは年取ってるんだから仕方ないんだよ。」
お兄さんも笑って言い返した。
思い出話も切りのいい所で終わらせて別れようとお兄さんに挨拶して前を歩いた。
「あ。なつなー、お前ハルの事はわかったかぁ?」
その名前聞くと私は足を止めた。
ハルという名前を聞いて私はすぐに振り返った。
”懐かしい”
もう私はその名前を数年口にしていない、頭の端っこにある押し入れの角に入れていた。
私が会いたい幼馴染み
姿と名前が脳裏に浮かび上がる
「お兄さん!なにか知ってるの!?」
「ああ?当たり前だろ!だって俺たち」
お兄さんは口元を上にあげてにやけると当たり前のように私の質問に答えた。
「”兄弟”なんだから」
最初のコメントを投稿しよう!