始まりは乗用車

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「信条…ですか?」 「ああ、汝の来世での信条だ」 来世……? ということは 「やはり俺はあの乗用車に引かれて………」 死んだのか。 ならここは死後の世界の裁判所か?しかし罪を言い渡されるわけではなさそうだ。信条を聞かれているわけだから。 「んん?そなたは記憶持ちか?」 記憶持ち? 「記憶持ちとは死ぬ前までの記憶を所持している者の通称だ。ふむ……面白い」 目の前の男が喜々として歩いてくる。 「決めた。そなたをそのままあちらに送ろう!」 っはあ!? 「い、いやいや!待ってくれ!あちらとか、そのままってどういう意味だ!!」 思わず声を張り上げる。冗談じゃない!わけのわからないまま流されるなんてまっぴらゴメンだ! 「ああ、そなたは気にしなくていい。手続きは私に任せたまえ。さあ、おまけを五つまで付けてやろう。何が良いか言って見よ」
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