始まりは乗用車

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ふざけている。そう思った。俺の主張など聞く耳も持たずどんどん話を進めて行く。話を聞け!叫んでしまいたかった。 だがこの男にはそうさせない、何かがある。逆らってはいけない。そんな気にさせる何か。 「なんで、俺にそこまで……?」 この男についてはあまり考えないでおこう。底が知れない。 まあ、こんな空に浮いたところで「信条はなに?」なんて聞く奴だ。正常とは言えないだろ。 「それはだね、記憶持ちだからだ!」 それだけか? 「そうしたら俺以外でもやっているということですか?」 記憶持ちという一つの条件だけならいくらでもいるだろう。 「ああ!4人ほどね」 「よ、4人!?」 少ないな!記憶持ちって意外といないのか? 「1世界に平均10人ほどだからな。珍しいんだ」
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