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雅さんに諭されたあと、マキちゃんは気が済んだようで、四人で参拝をしたりおみくじを引いたり、初詣らしいことをした。
その後、マキちゃんは友だちと会うと言って、
「それじゃ!今年もヨロシクお願いします!」
ぺこりと頭を下げると帰ってしまった。
マキちゃんはめまぐるしい。
悲しんだり怒ったり笑ったり…
残された男三人、ぼうぜんとたたずんでいると西川が、
「飲みにいきませんか?」
と提案した。
行きたくない、
「おれは実家に帰る予定があってね、でも幸はだいじょうぶだろ?」
…雅さん、余計なことを言わないでください。
「笹本さんっ、飲みましょう!オレ、もう飲みたい気分なんすよ」
気持ちは、わかる。
マキちゃんは脈ないよ、
でもなあ、
西川はぼくのきらいなタイプなのだ。
しばし葛藤。
「いくか、どっか空いてるとこあるかな、」
自分を褒めたい。
成長したな、ぼくも。
それからしばらく空いてる店を探したが、どこもいっぱいだった。
「あ、歩道橋とかどうです?たまに友だちと行くんですけど、結構いいですよ」
西川がたまに行くという歩道橋は、大きな道路にかかっていた。
寒かったが、通り過ぎる車のライトや、遠くのビル群など、夜景がきれいだった。
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