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どうにか話を変えたくて、「きのうの特番さ~」とか言っていたら、
「西川くんだよね?」
と、図書館員のほうが声をかけてきた。
やっぱりばれてた!!
ナナちゃんの声、聞こえてたのか…
「…は、はい」
べつに、オレはなにも悪いことをしたわけじゃないのに!
なんか怒られる気がして、弱腰になってしまう。
「この間はどうも…笹本は北村教授に引っ張られて行ったからいないよ」
…避けてるのもバレてる!
すっげ平静を装ってたつもりなのに!!
「ははは、きみもおもしろいね」
わらわれたーー!
もう、なに?!
「なんすか!」
「いや、実はさ、きみ、レポートの本を借りっぱなしでしょ?無くしてないかなぁ、とおもって」
…本?!
「あ、あります」
「そう?ならいいんだけど、なくすまえに返しにきてね」
おおお、ふつう。
毒気を感じない!!
この人、なんであんな怖い人と付き合ってるんだろ。
ナナちゃんも親しそうに話している。
なんか弱みでも握られて、脅されてるのかな…
「…あのっ!」
去り際、気付けば追いかけて声をかけていた。
「ちょっと相談したいことがあるんですが…仕事のあととか会えませんか!」
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