起死回生

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真っ暗だった暗闇 もう、音を耳に入れることすら拒否していた身体に 聞こえてきたのは、――カズくんの、私を呼ぶ声。 とっさにその方向に顔を向けた瞬間に飛び込んできたその姿に 私は気がついたら市川さんの手をふりほどいてカズくんに向かって走っていた 自分の中で、ずっと我慢していた緊張の糸が、プツリと切れたんだ もう、自分を理性だけで保てなかった
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