第一話「僕が変われば」

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つられて僕も笑った。って言うよりは、照れていたと思う。 「私のクラスが分かったの?!」 「ノートに書いてたでしょ。後、名前も書いておいた方が良いよ」 「あ、は、はい…。えと、名前聞いても良いですか?」 彼女は嬉しそうに問うて来る。僕もあまり顔には出さなかったけど、内心は違った。 「野城(のじょう)。俺はC組なんだ。君の名は?」 「私、奈央子(なおこ)!えと、名字は太田(おおた)って言うの。野城くんは下の名前は?」 「充(みつる)」 「へぇ~っ。格好良いね!!」 「…………」 名前を格好良いと言われたのは初めてだったけど、凄く嬉しくて、気付けば普通に会話が弾んでいた。 ふと近くで、あの愛加が女子数人で僕を見ているのに気付いた。 まるで僕が、女という生き物と話してるなんて信じられない、というような驚いた表情。そして、ヒソヒソと話している内容が、聞こえた。 「やだ…良くない?」 「格好良いかも」 でも一人の子が愛加に向かって「ねぇ、愛加。野城くん格好良くない?」と聞くと、愛加は 「あたしも、ちょっとヤバいかもぉ」 と言ったから僕は驚いた。
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