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入学して一ヶ月。
それは英語の授業の時だった。
僕は元から無口で大人しい性格で、周りと接するのが苦手だった。
しかも、苺学園は僕にとっては元から知らない奴ばかりの高校で、最初から孤立していたんだけど、僕の性格は、さらに孤立しやすい原因を作っているらしかった。
でも僕は、勉強さえ出来れば構わないんだ。最初からそういう性格だ。
けど、先生はそうはいかない。
先生は一人ぼっちの僕を見ると、何かと協力してあげたくなる性(さが)らしい。
確かにそれは教師として、とても素晴らしい事だと思うし、むしろ そういう子に無関心なほうがどうかとも思う。
だけれども、一人『に』なるの と、一人になりたいから一人『で』いるのとは、ちょっと違うような気がするんだ。
大人はそういう微妙な所の気持ちは分かってない。
僕は入学してから友達はいなかったけど、正直 構わない。
むしろどちらかと言うと一人でいたくて、っていうか一人でいる方が楽だし、だから先生も気にしないで放っておいて欲しかったのに、
「席を空けなさい。ほら」
「えーヤダ」
先生は よりによって、一番面倒くさそうなグループに依頼する。
「どうしてそんな事を言うんだ!?」
「だって野城、暗いじゃん」
「俺も苦手ぇぇ」
僕は自分ではその意味がよく分からない。
何が『暗い』んだろう。どういう人を『暗い』と言うんだろう。
僕はいつも教室では黙って本を読んでるだけだ。誰とも話さないし、だから誰かを傷つけてる事なんて絶対にない。
「そんな事言わずに、さっさと練習しなさい」
「…はい」
僕は仕方なくソイツらの席に移動したけど、ソイツらは、
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