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ある日の放課後。
僕は日直当番で、教室に残って日誌を書いていた。
そして職員室まで提出しに行こうと、僕は教室を出て廊下を歩いていた時、角を曲がろうとした所で誰かとぶつかってしまった。
僕は大丈夫だったけど、ぶつかった相手は、尻餅を付いて鞄の中身がばあって出た。
その上──、女の子ときた。
「び、びっくりしたぁ…。すみません!」
そう言って女の子は立ち上がろうとする。
「いえ。こちらこそ。片付けるの手伝うよ」
「わ、すみません!えと、ありがとう…‥」
僕は散らかった鞄の中身を一緒に片付けた。
「はい、これで全部かと。じゃあ僕は行くので」
「ありがとう!」
すれ違う時に女の子は、僕に微笑んだ。長い髪が背中で揺れていた。
僕は彼女の後ろ姿を見えなくなるまで見ていた。
向こうは振り向く事は なかったけど、別にそういう事を期待してた訳ではなくて。
だって僕は、入学してから先生以外で誰かに微笑まれたのは初めてだったから、驚いてたんだ。
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