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ふと足元を見ると、ピンク色のノートが一冊落ちている。あの子の忘れ物だとすぐに思った。
僕は慌て届けようとしたけれど、もう行ってしまい姿は見えなくなっていた。僕は立ち止まり、それを仕方なくどうしようかと悩んだ。
名前も知らなければ、学年も分からない。クラスも分からない。ふとノートに書いてるじゃないかと閃(ひらめ)き、ノートの裏側を見てみると、「1―B」とだけ書いてあった。
名前は書いてないのか!
クラスだけ!?
思わず心の中でそう突っ込んで、「1―」と書いてある所からして、同じ一年生と分かる。
そして僕は、日誌を提出するついでにB組の担任先生に届けようと考えて、ノートも持って職員室まで歩き出した。
職員室の扉を開けると、『ソイツら』がちょうど出てきた所だった。
愛加があいつに腕組みしてて、スレ違い様一瞬こっちを見たような気がする。
僕は日誌を提出して、次にB組の担任を探したけど、いなかった。近くの先生に聞くと「今日はいない」と言われて、どうしたのかと聞かれたので「落とし物を届けに来た」と答えると、そこの『落とし物BOX』に入れておきなさいと言われた。
僕は職員室を出て、職員室の外にある落とし物BOXにノートを入れようとすると、
「お人好しぃ」
まだソイツらがいて、僕を見ていた。
「愛加?あんな男どうよ?」
「えーいやぁ。だって、女の子と話したこともなさそうだもン」
僕は何を思ったのか…、ノートを落とし物BOXには入れずに、自分の鞄に入れた。
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