第1章 ログイン

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つまらない。つまらない。つまらない…。 どうしてこの世界はこんなにもつまらないのか。 未来とはなんだ。お金を稼ぐ為に生きる人生とはなんだ。 世間なんて言葉があるが、人の目とはなんだ。 どうして人が人を蹴落とす世の中なのだ。 なぜ差別が生まれる。嫉み、嫉妬、傲慢?人と違っているからか? 何故人の世はこんなにもつまらないものなんだ。 人間の遺伝子にそうなるよう組み込まれているのか? いや、違う。自分が自分である為に認めないだけだ。 異端、戦争、虐め、革命、放棄、独立、独占。 それはどっかの誰かが誰かを認めない。 そして、己が己である為の意志。 それが、個の単位、万の単位、億の単位、賛同する者が多ければ多い程、正当化され、当たり前という言葉になる。 苦労してお金を稼ぐ事は当たり前。 戦争になった事は当たり前。 独立して当たり前。 虐められて当たり前。 当たり前の世の中。一体なにが当たり前なんだ? 世の中に絶対なんて言葉は存在しない。 なのに当たり前とはなんだ? ただ、そういう流れに世の中がなっただけにしか過ぎない。 この世界で生きていく為に上からの重圧は、地球の重力よりも遥かに重く感じる。 だから、人は自らが創り出した不可能な事象や、理想、幻想を本、映画やアニメ、ゲームの中に、夢を追い求める。 或いは、今のこの世界は知ってしまったから。 大昔、世界は未知で溢れていた。 まだなんのしがらみも無い世界。 人はある程度、外の事を知るようになると今度は内へ、目を向けるようになる。 当たり前の常識、戦争、差別、知識が培われ、世界が狭くなっていった。 そして、人は過去と未来に夢を馳せるようになる。 更にそこに自らが創り出した創造を加え、より深く、より現実とはかけ離れた夢に。 だからこそ、時代が進むに連れ、人はなによりもそこに感情が宿るようになる。 恐怖、熱意、ときめき、踊る心、喜び、悲しみ。 手に出来ないモノ、手に出来るか分からないモノだと知ってしまったが故の感情。
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