第1章 ログイン

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僕は知ってしまった。 産まれてから高校生になるまで、成長する過程で、現実ではときめきや心が踊るような事が消えていった。 寧ろ、辛い事ばかりだ。なのに便利になって行く世の中。 果たして、この現実で僕は生きているのか? 生きていると実感するような心が動く事はあるのか。 それこそ、本やテレビやゲームの中で探すしかないのか。 つまらない世の中。 昔の人が今のこの世界を見たら、喜ぶだろうか、それとも逆にこの世界には”何も無い”と蔑むだろうか。 ただ、なんとなく過ぎる日々。 決まった選択肢があり、その中で選ばなければならない自分の将来。 分かっている事程、面白くないモノは無いのではないか。 過去、偉大な先駆者達は未知だったからこそ、そこに夢を追い求め、心踊っていただろう。 逆に言えば、最早、今のこの世界を淘汰した人間には、限られたモノしか残っていない。 しかも、それは限られた者しか知らない世界。 限られた者にしか許されない世界。 僕はこの世界を本当につまらなく思う。
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