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ここは昼間だと言うのにカーテンを締め切り、部屋は薄暗い。
机にはお菓子の袋や、空のペットボトルが置かれ、余り綺麗な状態とは言えないだろう。
その八畳程の部屋に、パソコンの灯りだけが辺りを照らし、今現在、椅子に座る僕の前には、話相手である男が映っている映像画面が空中に浮いている。
「なあデンジャラスでグローバルだとは思わないかい!?」
その映像先の青年は、何処かの貴族のような華麗に振る舞って見せるその仕草には、長い付き合いである僕も、流石にうざさを感じ得ない。
そんな事をやっているから虐められるんだよ。
そう喉元まで出かけた言葉を、僕は呑み込んだ。
「はあ…。もうその話はいいだろう…。」
溜息を吐き、手の平をヒラヒラとさせる仕草をして見せると、僕の目の前に展開されている映像に映る、茶色毛のウェーブ掛かった長髪の青年は、口をこれでもかと開ける。
「なあっ!ユ、ユーはぼ僕に去れと言うのかい!?」
何事も無かったかのように、うんと頷く自分が正直冷たいとは思わない。
これは毎度の展開であり、二人に取ってはありふれた光景なのだ。
「ヘイユー!君のフレンズは僕だけじゃないかい!?そんなマイフレンズを軽くあしらうなんて!
僕と君の境遇は一緒だろ!?
つまりは一心同体なのだろう!?
それはマイファミリーじゃないか!」
彼が言っている事事態、他の人が聞けば意味も不明瞭で煩わしく思うだろう。
でも、僕はそんな短慮で心の狭い性格をしてはいない。
ただ、一つ彼の言葉の中にあった神経を逆撫でする事意外は。
「その事は言うなって言っただろ。」
眉間に皺を寄せ、自分でも驚くぐらいに強く出た言葉。
自分の強く言ってしまった言葉に、ようやく画面の中の男は気付いたのか、ハッとした表情を見せる。
「す、すまない。これは僕の失言だった…。」
シュンッとする姿を見て僕は、はぁっとまた溜息を吐く。
「ヴァイス。COはやりたくない…。
僕は彼処には入れない…。」
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