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Aチームのキックオフから開始した。
「速攻来るぞ!サイドバック!裏取られんなよ!」
朝田が指示を送る。朝田はOMF、所謂トップ下。
トップ下にはゲームメイカーと呼び名もあり、ゲームを作っていくポジションだ。
乃木もその力を認めていて、朝田が地方のサッカークラブにいるときに小学生ながらに卓越した、戦術眼を持っている事を見抜き、カテナチオに招いたほどのものだ。
OMFではあるが、他のポジションでも使えるほどのセンスがある選手だ。
その朝田の言う通り、相手は開始直後に湯浅が左サイドを持ち前のスピードで走り、相手のRMFとRSBの間のスペースにはいった。
そこに、土井の絶妙なパスが入る。
「頂き~!」
湯浅のスピードに乗ったドリブルに藤木は追い付けない!
「いかせてたまるか!」
前から向かってきた、RSBの篠原がギリギリのスライディングタックルで湯浅を止めた。
「痛たいな、もう~。あつくなりすぎだよ」
「ごめんな、今回は宮脇さんのコーチ就任祝いで勝つつもりなんだわ」
「Bチームなんて朝田さんだけだと思ってたら、結構やる人いるじゃん!今日は先輩、あなたを抜きまくるから!」
「あなたって、、名前は篠原拓海だ。あと、そーゆードラマとかアニメみたいな台詞はいらないから、早くスローイン行け」
(生意気なやつだな。まあ、10歳でAチーム入りしたらそうなるか)
そう思いながらも、篠原は湯浅を立たせてあげた。
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