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電子タイマーは後半30分を指していた。
得点は3-1のままだった。
「伸也、そろそろやるか?」
「そやな。でもあの竜崎、妙やな」
伊藤は竜崎に対して違和感があった。
他の選手はなんとかして爪痕を残そうと必死になっている。
竜崎はどうだろうか?堅実なプレーが目につく。
「ああ、確かに。竜崎って湯浅と同い年だろ?だから10歳か。伸也に似てるな」
「俺にか?どこがやねん」
「いやいや、お前も10歳のときあんなプレーが多かったぜ。俺らまだガキだったから、ボールマンだけに突っ込むような感じだったけどお前はしっかり見えてたっていうかさ。」
「そうなんかな?自分じゃよう分からんわ」
「まあ、そんなこと置いといて活躍させてくれよな!」
「まだ15分あるやろ!見せ場作ったるからな」
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