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いきなり天候が変わって大雨になった。
「おお、神様が味方してくれとるやん。絶対決めろよ」
一般的にFKはキッカーも滑って蹴りにくくなるが、GKにとっては視界が悪くなるため晴れてるときより決まる範囲が広くなるといえる。
「ありがとうな。しかもこの位置俺が蹴ってる位置とほぼ同じじゃねえか!」
「そりゃそうやろ。決めへんかったらしばくから」
「決める、絶対に」
せっかく伊藤が俺のためにくれたFK。
必ず決める。
後ろで湯浅が蹴りたいと言ってる気がするが放っておこう。
ピッ。
位置はちょい右寄りの20mぐらい。
レフティの俺にとっては最高の位置だ。
キーパーは右寄りか。いやキーパーは関係ない。いつも練習しているコースに撃てばいい。
「うおおおおお!!」
渡邉はボールに向かって走っていった。
渡邉に蹴られたボールは綺麗に壁を越えてた。
「高すぎる?」
「左すぎる?」
いや、完璧だ。こっから曲がる。
ボールは、何かに押されたかのように右に曲がりながら落ちていった。
ガゴンッ!
ポストにボールが当たったとき特有の音が鳴った。
ゴール!
4-1。
スコアラー:渡邉 勇太
アシスト:無し(挙げるなら伊藤)
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