第1章

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東京のとある高校のとある教室で4人の少女達がテストと睨み合っていた。 ((((…さっぱり分からないっ)))) 今日はテスト最終日。 だが最後まで油断してはならない。 このテストには学生の運命がかかっているのだから… 何故なら合計400点以上取ることができなかった生徒は来週から始まる楽しい夏休みの半分が補習によってなくなってしまうからだ。 ((((うぅ…夏休みが減るのは絶対に嫌だっ!!)))) そして補習室行きになることを生徒達はこう呼ぶ。 『落ちる』・『すべる』と。 受験生だけが使うこの言葉を早くも高校2年生の時点で禁句とみなしてしまうとは…。 ーーーーーーーー… ーーーー… ーーー… 翌日4人の少女達は近所の古い神社で集まっていた。 「よし…みんな準備はいーい?」 1人の少女が緊張した面持ちで確認する。 「「「う、うんっ…」」」 他の3人の少女達も頷く。そして4人で輪のようになり、それぞれ白い紙を取り出す。 「「「「せーのっ!」」」」 一斉に輪の中心に差し出されたのは採点されて戻って来た昨日のテストだ。 …少しバツが多いような気がする。 全員のテストを見終わったところで1人の少女が現実を呟いた。 「みんな点数悪かったね…」 バツが多いように見えたのは間違いではなかったのだ。4人全員いわゆるバ、カという事だ。 もちろん5教科全ての点数を合計しても400点には到底およばない。
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