第1章

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つまりだ、言わなくても分かると思うが一応言っておくとしよう。 全員『落ちた』・『すべった』のだ。 「ふおぉぉぉぉーっ、私の夏休みがあぁぁぁぁーっ!!」 「私日本人だから英語いらないと思うんだよねー、うん」 「……ふっ」 「うぅ…補習嫌ーっ!」 するとそこへ待ってましたとばかりに若い男の大声が聞こえた。 ?「こんな事になってしまったのは全部テストが悪いんだっ!!」 4人はそれに気付かず賛同する。 「「「「そうだっそうだっ!!」」」」 ?「そんな物はなくなってしまうべきだっ!」 「「「「そうだっそうだっ!」」」」 ?「その為には異世界へ行かなくてはっ!」 「「「「そうだ、そうだぁっ!…えっ?」」」」 少女達は何かがおかしいと目を瞬く。 だが気が付くには少し遅かった。 すでに少女達の足下には漆黒の闇が広がっていた。 うろたえる少女達に若者は、くすくすと笑いながら手を振る。 ?「ということで、いってらっしゃぁーーい!」 落ちる直前に見えた若者は狐のお面をしていた。 ーーーーーーーー… ーーーー… ーーー… 闇。全てが漆黒だった。 かろうじで誰がどこにいるのかが気配で分かる程度だ。 そんな中、誰かが禁句を言ってしまった。 「ーーーそういえば今、アタシ達落ちてるねぇ」 次の瞬間… ゴフッ ゴキッ 鈍い音がした。無言の殺意というやつだ。 …こんなにも暗い中で的確に、しかも急所に当てることができるとは。いらぬ特技だが妙に感心してしまう。
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