第13章 ruri

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   五十嵐さんは通りからあたしの姿を隠すように、頭を抱き寄せて撫でてくれる。 「俺が行ってやろうか?」 「え?」 「瑠璃ちゃんがどうしても会いたくないなら、俺が預かって、代わりに倫世さんに返してあげても」 「……それは駄目だよ」  きゅ、と五十嵐さんのスーツの裾を掴む。  彼はクスッとくぐもった笑いを漏らした。 「言うと思った」  耳元で放たれる低い声に、思わず身体が震えた。  寒いせいじゃない。 「じゃあ、俺、ついて行ってもいい?」 「え?」 .
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