第7章 ruri

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  「なんで一緒に無視とかするの? ありえないよ」 「ごめんてば、怖かったんだもん。瑠璃があたしのことなんて何とも思ってなかったらって思ったら」 「だからって……」 「ストップ。羽島ちゃん」  磯貝先生が、あたしの手を握ってハッとする。  震えていることが判ったからだ。 「……この2日、あたしがどれほど心細い思いをしたと思ってるの」 「ごめん……」  万里子はゆっくり立ち上がると、そのまま会議室を出ようとする。 「水木ちゃん?」 「たぶん、みんなまだ帰ってないから──あたし、自分で話してくる」 「えらい。でも、ここに来てもらってもいいんだよ」  磯貝先生が言うと、万里子は「まず自分で言う」と言って、会議室から出ていった。 .
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