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万里子が静かに閉めていったドアを見つめながら、磯貝先生は小さく溜め息をつく。
「よかった。誤解が解けて」
「……でも、先生」
「うん?」
「万里子は判ったけど、あたし自信ないなぁ……」
「ええ?」
磯貝先生が笑いを含んでくれるから、ちょっと心が軽くなる。
でも、あたしの感情はまだ波立ったままだ。
「みんなで万里子を強く言い含めたってことは、あたしがおかしなことしてる方が面白いんでしょ? みんなからしたら」
「……あらまあ。そこまで考えちゃったか」
「そんな子と、友達なんてやりたくない」
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