第1章

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★★★★★★★ …はぁ… 薔薇の花束を見ながら溜め息をつく。 僕の心とは真逆で鮮やかな色してるし… てっきり造花で小道具の一つだと思い返そうしたら、実は生花らしく「記念にお持ち帰り下さい」と言われてしまったのだ… 何が嬉しくて花束持って観客席の階段を登らないといけないんだろう。。。 なんかお客さんも僕を見る目がニヤニヤしてるし… … ぼ、僕はパンダじゃないんだぞ!(半泣) … それに…まだある。 もうすぐ着くというのに竜介の顔が見れない。。。 だって怖いもん! 絶対怒ってるもん! で、でも竜介のとこには戻りたい。。。 矛盾してるよね… それでも、今は竜介の安心感に包まれたいのだ。 … … … 綾斗「ごめんなさい。」 自分の席につくと先手必勝!と思い、竜介に謝罪する。 竜介「…」 …ぁ、あの…許していただけると…こちらの会社としても…その…ありがたいのですが… も、もちろん!それ相応の対応はさせていただく所存です。。。 綾斗「…竜介…」 竜介「…ぃゃ、お前のせいじゃないだろ」 …! 綾斗「…ぇ」 竜介は早く座れというように顎で指示してくる。 ま、まさか…怒って…ない? これ、怒ってないよね! その瞬間、気持ちがスッと楽になるのを感じた 竜介「…ん。」 席に座ると冷たいものを渡される …オレンジジュース。。。 ぁ、そうだった。竜介飲み物買いに行ってたんだ ぇ、てか僕の分も買ってきてくれたんだ… 綾斗「これ貰っていいの?」 竜介「…飲め。」 綾斗「ぁ、ありがと…」 お礼を言い、オレンジジュースに口をつける ………甘い。。。
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